石を利用した工法のうち、急な勾配のものを石積み、緩い勾配のものを石張りという。
ともに互いの石が噛み合い、容易に崩壊しないようにしなければならない。
石積み
石張り
練積みとは、石を積んでいく際に石と石の間にモルタルやコンクリートを流し接合して積み上げる工法。
それに対して空積みは、モルタルなどを使わずに石を組んで積み上げる。
裏込コンクリートを用いた練積み
裏込コンクリートを用いてない練積み
空積み
- 友飼石(ともがいいし)
- 友面に飼うもの。
- 迫飼石(せりがいいし)
- 左右の積み石の間に飼って石を固定するもの。
- 裏込石(うらごめいし)
- 石の胴の間に飼って、積石を固定するもの。
- 合端(あいば)・合い口(あいくち)
- 石が接触する部分。
毛抜きの挟み口のように接合部分が少しだけしかないものを毛抜き合端といい、不安定な積み方になる。 - 目地
- 石積みの際に出来る継ぎ目。
石垣の積み方は様々。住宅の境界や河川整備の際に一般的に用いられる積み方にはこんなものがある。
玉石を用いた布積み
間知石を用いた布積み
間知石を用いた乱積み
玉石を用いた乱積み
割石を用いた乱積み
玉石を用いた谷積み
間知石を用いた谷積み
野面石を用いた谷積み
三個の石で常に谷が出来るように積む。谷積みとは
下の石がつくる谷へ上の石をはめてゆく積み方。
常に谷ができるように石を斜めに積んで、石材がお互いを押し合うような力「せりもち作用」が働き、布積みよりも安定性が増すと言われている。
積み上げた石積みの上部を天端(てんば)という。 一般的には下のような工法がある。なかでも巻天端は、河川内の水制など流水部分に用いられることが多い。
隅天端
切天端
石垣を正面から見た図
天端に横長の石材、 笠石を置く方法もある。巻天端
石垣の隅角部(すみかどぶ)の処理は重要。
城の石垣構造の際、大部分が野面石の乱積みであっても、 隅角には基本的に切石などを用いた算木積み(さんぎづみ)を用いることが多い。
算木積み
- 直方体の石の長い面と短い面を、正面と側面に交互に見せる積み方。
その他の隅角部の積み方(平面図)
丸角
本角
天端に横長の石材、 笠石を置く方法もある。槍角
菱角
- 野面石(のづらいし)
- 加工されていない石。主には河川にある玉石。
また、自然のままの石を野石(のいし)、野石を大割りにした粗面のままの石を野面石という場合もある。 - 割石(わりいし)
- 面石を形を決めずに割ったもの。
- 間知石(けんちいし)
- 四角錐体に加工し、頂部が切り取られた石。
石積の際に石垣の奥に入り込めるように、控えと呼ばれる奥行きがある。
日本独特の石材で、地方によって差はあるが、
JIS規格によっておおよその大きさは決まっている。
間知という名前は、昔、検知の際に用いられた一定寸法の意味という説もある。 - 雑割石(ざつわりいし)
- 面が正方形や長方形で、控えの二面が削られている。